ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に活動中のヴァイオリニスト。「バッハからジャズまで」をテーマとした幅広いレパートリーを活かし、「ヴァイオリン独演会」シリーズを全国各地で展開中。2020年3月セカンドアルバム『MONA LISA』リリース。http://yukitakubo.com/

休むこと

いよいよ本番です。


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今日現地時間の19時から。

昨日はバジノフ先生もオーケストラリハーサルを聴きにきてくれ、最後に人つまみのスパイスのように音に命を与えるアドバイスをくれた後、

「ゆっくり休むこと!」

と言い残して帰られました。

「これは大事! 明日もリハーサルがある?
多すぎる! 今日は多くても後30分は弾いても良い、でもバッハか何か、ハチャトゥリアンはダメだ、疲れてしまう! ハチャトゥリアンは楽譜を読むだけにしなさい。約束!」

ジョークとは思えませんでしたね。

少し前の私なら、協奏曲の本番前日にその曲をさらわないなんてクレイジーすぎる考えでとてもイエスとは言えませんでした。

でも、休むのって大事だよね、という話を最近したこともあって、もう音源聴いて、スコアは良く読んで、くらいで浴槽に浸かって寝ようと思います。


演奏って、ドライブに似てると思います。

まずは教習所の中で基本的な車の運転技術を学ぶけど、路上に出たら技術よりも、道をちゃんと知っておくとか、周りの状況に注意する方が大事。

スコアを読み、誰が何をやっているかを知ることは義務ではなくて、

「信号を3つ過ぎたら右折」みたいな、寧ろ助けになってくれることです。

ドライブ前日は、車に不調がないかをチェックしたら、ギリギリまで半クラだのハンドル操作を練習するよりも、道を下調べして、道路状況もチェックして、何より良く睡眠を取ることが大事ですよね。

お客さんはスムーズなドライブや景色を楽しみに来るんです。演奏者が目を充血させて前夜習得した神がかり的な半クラなんて見ていません。

それよりも、演奏者がリラックスして、エキサイティングだったり、悲しみに暮れていたり、民族のダンスだったり…様々に変化する景色を見せてあげること。

そうそう、先生は最後にもう一つ、

「お客さんには最高の笑顔を見せるんだよ!」

とも言ってくれました。

お風呂上がりには日本から持ってきたパックでもしますか。

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それでは、良い演奏会になりますように!


YukiTAKUBO; Violine