ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に演奏活動をしているヴァイオリニスト。出演情報と、音楽について、また練習方法をレポート中。野球が好き。たまに断捨離。

なにわ藝術祭新進音楽家競演会【サンケイホールブリーゼ】2015.05.25

第53回なにわ藝術祭新進音楽家競演会、無事終了しました!

 

yuki-violine.hateblo.jp

 

今回は昼間だったので家族も来てくれ、ブログを見て来てくださった方までありとても励みになりました。
聴きに来て頂き、ご感想も頂いてありがとうございました。
 
ブログでの説明が言葉足らずで分かりにくかったことをお詫びしなければならないのですが、なにわ藝術祭は昭和30年代から続く産経新聞主催の芸術祭で、上方落語・洋舞・日舞クラシック音楽・ジャズの5部門でそれぞれ出演者を選出し、各部門で最優秀の新人賞と新人奨励賞を選ぶというコンクールでありつつ、芸術祭ということであくまでコンサートとしての演奏を審査するというもの。
 
器楽部門は管弦打とピアノが一同に集まります。
 
通常のコンクールでは、勝手に曲を編集してカットするのは認められず、制限時間のベルで打ち切りますが、なにわ芸術祭はあくまでコンサートなので、制限時間を超える曲は各自で編集してきちんと曲を終えられるようにします。
 
また、審査発表まえに審査員の先生方からご挨拶と、自分なりの審査基準がお話しされ、それぞれに選出基準が違ったのも特徴的。
 
一般的な日本のコンクールは、審査員の好みといったものを反映するのはアンフェア…ということで、音程やリズム感、音色、構成力といったエレメントを総合的に審査するというのが多いです。
 
最終的には、一位を争うようなコンテスタントは全てを兼ね備えているのでいかにアピールするかという点にはなるのですが…
 
その点、なにわ芸術祭は「その人のコンサートに行ったとして、一番エキサイティングだと思う人」をそれぞれが選出している、という感じかな? と感じました。
 
これはとてもユニークであり、実際にコンサートプレイヤーとして活動していく上での戦略にも通じる大切なことだと思いました。
 
「中にはなぜこの曲選んでしまったんだろう…という人もいて、そういった方には講評で逆に質問を投げかけました」とおっしゃった審査員の先生もあり、自分の個性をアピールできるような選曲は実際の所、課題曲をこなすよりも大切かもしれません。
 

競演結果

気になる最優秀の新人賞はピアノの宮﨑 真理子さん、新人奨励賞はクラリネットのGervasio Tarragona Valliさん、サクソフォンの新井 貴之さんでした!
おめでとうございます(*^ ^*)
 
私も入賞はなりませんでしたが、伴奏の牲川旬哉さんとこだわったアンサンブルや、九州以降自分の課題にしていた音色を褒めてくださる講評もあり、ちょっと嬉しかったです。
 
 

どんな講評が貰えるのか

講評の一部はこんな感じでした。
 
「ピアノ共々求心力の強い演奏でとても良かったと思うが、ともすればその求心性が自己への埋没につながりかねない。冷静な客観性を更に望む」
 
(自分にうっとりしているように見える…という感じかな^^;)
 
「テクニックと曲想は大したもの。難しいことだが最後の音程を更に詰めて」
 
「音・楽器はバツグン。リズムとアーティキュレーション、伸ばすべき音を十分に」
 
ハチャトゥリアンの音、土着の匂い立つような響き、リズムなど音楽の作りは好き。ヴァイオリンが伴奏に回る時の処理がもっと丁寧にできると良い。また聴きたいと思わせる演奏でした。ありがとうございました」

 

音や作りこみをお褒め頂いたり、とっても嬉しく読ませて頂きました。また逆にご指摘頂いた所は「そういう点ももっと改善できるのか」と新たに気付かされることばかりで、大いに参考になります。エキサイトしすぎる時があるのは私の悪い所でもあり、持ち味でもあるので、うまくそれを自分で完結せずお客様に伝えられるような表現に変えていけたら…と思います。

 

一般的な「フェアにフェアに」採点するコンクールの講評にはない「好き」「ありがとうございました」といった言葉が見られたのが、本藝術祭の特徴が本当に良く表れているなあと思いました。

審査委員長の日下部先生は「お客さんも、良かったらもっとブラボーと言えばいいし、ダメだと思ったらもっとブーイングすりゃいい。海外のコンクール行ったらみんなブラボーといったりブーブー言ったりしてますよ」と^^

そんなコンクールになったら楽しいですよね。

 

自分のまとめ

ハチャトリアンの協奏曲は今の所まだまだ未熟ながら私の伝家の宝刀で、「もしもこれで『合ってない』『何を表現したくてこの選曲に?』と書かれてたらどうしよう…」と不安でしたが、その点は伝わったかなと思います。

 

数年前までは「私に弾けるかな…」とためらっていた一曲。ウクライナでのオーケストラとの共演や、数度に渡るコンクールでの選曲、リサイタルでの演奏を経て、ようやく「私の一曲」と言えるようになったかな? と思います。

レパートリーとして大事にしつつ、また講評を参考に一層の研鑽に励みつつ、今後、これ以上に自信を持って弾けるレパートリーに巡り合ったらまた再挑戦したいと思っているなにわ藝術祭でした。

 

産経新聞の皆様、審査員の先生方、聴きに来てくださった方、伴奏の牲川さん、応援してくれた家族の皆、ありがとうございました(*^_^*)

 

おまけ

今回、コンクール講評で初めて「楽器はバツグン」と楽器を褒めて頂きました(^○^)

実は今年5月末で、今の楽器との付き合いが10周年になります。

2003年イタリア生まれのこの楽器は最初の印象がとても良く、音色は若いし楽器としてはこれからなのかなあ…と思いつつ、「若いうちは健康の楽器が一番」という宗倫匡先生の言葉にも後押しされてそれまで使っていたフランスのモダン楽器から替えました。

13歳になる今年になって、「ずいぶん音色が良くなってきた」と褒めて頂くことも多くなり、まさかのコンクールでまで。

「音色にはやっぱりオールドかなあ」と(予算もないけど;)隣の芝生を羨んだりした時期もあったのですが、きっとまだまだ良い音を引き出してあげられるはず。

一日の終わりには楽器に対しても「ありがとう、これからもよろしく」とつぶやいたのでした^^

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YukiTAKUBO; Violine