ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に活動中のヴァイオリニスト。「バッハからジャズまで」をテーマとした幅広いレパートリーを活かし、「ヴァイオリン独演会」シリーズを全国各地で展開中。2020年3月セカンドアルバム『MONA LISA』リリース。http://yukitakubo.com/

「ヴァイオリン弾きの勲章」について

こんばんは。

 

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※患部画像がアイキャッチになるのを避けるため、最近頂いて美味しかった涼し気なカルパッチョを御覧下さい。
 
 
 
この所の汗ばむ気候のせいか、年に何度か悪化する通称「ヴァイオリン弾きの勲章」、左の顎下にできるアザが痛くなっています。
 
※モノクロにしていますが、アザはアザなので苦手な方はスクロールで飛ばして下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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これね。
 
アザ自体は常にあるのですが、たまに化膿したり、今のように化膿まで行かないけど挟むだけで痛い! になったりします。
 
大体は繁盛期で朝から晩までオーケストラにいる時や、練習時間を多く取るときに悪化します。
 
練習時間でいうとウクライナ滞在中の方が断然長かったんだけどな〜
 
やっぱり気候でしょうか。ウクライナは暑い日もあったけど湿気はそんなになかったですから。
 
私が初めて化膿して悶絶したのは音大在学中でしたでしょうか。それまでは自然に放っておいたのですが、その時は皮膚科に駆け込みました。
 
治療内容は書きませんが、ハタチにもなって診察室で「ほぎゃあああああああ」と絶叫したのは覚えています(^_^;)
 
後はもう大丈夫なのですけどね。
待合室に戻った時の、「叫んでたの子供じゃないくてお前かよ!」的な男性の患者さんの視線が忘れられません。 
 
ただ、その時に先生が「ヴァイオリンの人はたまに来ますよ」とおっしゃったので、へー、と思いました。
 
しばらくガーゼを医療テープで貼って登校していたら、ピアノや歌の人からは自然に「どうしたん?」と言われましたが、やはり弦楽器の人はすぐ分かるんですよね。
 
「弾いてないときはそのガーゼ取りや! 風通した方がはよ治るで!」とか、
 
「顎当ては雑菌の宝庫やぞ、まめにアルコールで拭けよ」とか、皮膚科ではそこまで聞けなかったアドバイスも色々して貰いました。
 
顎当ては化粧品なども良くついてしまうので、拭くことは拭いてましたが、それからはすごくまめに除菌しています(-_-;)
 
ただ、結局は摩擦でアザになる場所なので、清潔にしていても悪化する時はしますよ。
 
案外皮膚科に行ったことがない人も多いようなので、ヴァイオリンまたはヴィオラを構えるのも痛くなった時の対処方、四絃弾き。編をお送りします。
 
・ハンカチを挟まない人は、まめにアルコールかアルコール入りのウェットティッシュなどで拭く。但し、本体にアルコールが触れないように厳重に注意!
拭いて良いのは黒檀なりスネークウッドなりの顎当ての部分だけです!
ヴァイオリン本体のニスはアルコール大敵です。下手したら楽器が多大な損害を被ります。
アルコールを含ませた布よりも、アルコール入りのウェットティッシュの方が液垂れしにくくて便利です。
 
・ハンカチをはさむ方も、たまには拭きましょう。また、ハンカチでも麻のようなシャリシャリした素材は逆に摩擦が起こって痛かった経験があります。
 
・患部は触らない!
鏡でも確認しにくい場所なのでついつい触りたくなりますが、ニキビ同様手でいじるとまた悪くなります。
 
・化膿しかかったら、迷わず皮膚科へ。初期はちょっと大きいニキビみたいな感じです。ここですぐ治るか患部が広がるかの分かれ目。
 
・皮膚科では1000円くらいで処置から薬まで出してくれます。下手に薬局でピンポイントに効くか分からない薬を求めるより早く治るし安いと思います。
 
・私が皮膚科で出して貰ったのはゲンタシン軟膏です。これは良く効きます。
お風呂上がりや、練習を終えてもう楽器を挟まなくなったら患部をきれいにしてゲンタシンを塗っておきます。一晩でかなり良くなります。
 
・また、必要以上に顎でがっちりとヴァイオリンを挟み込まないよう、顎と肩付近の脱力を心掛けて弾くのも大事です。脱力しててもアザになるものはなりますが、脱力できていると音色も良くなります。
 
・そのために、顎当てと肩当てが自分の体型に合っているかどうかもちょっと考えてみて下さい。
顎当てと肩当ては体型で選ぶものです。先生が使っているから、とか木目がカッコいい、憧れのヴァイオリニストがこんな顎当てだった! よりも、まず自分に合っているかをチェックして下さい。肩当てなど材質や形状で音色が劇的に変わるものもあるのですが、何より体型にあったものを用いてリラックスして弾く方が音色のためになります。
 
 
ゲンタシン塗って寝ます。
 
 
YukiTAKUBO; Violine