ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に活動中のヴァイオリニスト。「バッハからジャズまで」をテーマとした幅広いレパートリーを活かし、「ヴァイオリン独演会」シリーズを全国各地で展開中。2020年3月セカンドアルバム『MONA LISA』リリース。http://yukitakubo.com/

Слава Україні!

ウクライナではとてもお世話になっている方が、京都を訪ねて来てくださいました。

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真ん中の黒いTシャツのマークはウクライナの国章です。彼にその事を聞いたら、私にウクライナの小さな国旗をプレゼントしてくれました(*^^*)



皆さん揃っての食事会にお誘い頂いたので、ご一緒させて頂きました。

お世話になっている方は日本人なのですが、その方と話すのはいつもウクライナで、現地ではいつも右も左も分からない私を「こっちです、はい、こっちです」と案内してくださっているので、日本の街中でお話すると不思議な気分になります。

あれ…ここは京都? ウクライナ? という感じ。

ご一緒したのは焼肉屋さんで、ウクライナにはないというスタイルの食事を楽しまれていました。

ウクライナ人のご一行は、「サケ!」日本酒をとりあえず飲むぞ! と意気込んでいたり、枝豆の頂き方に興味深そうだったり。言葉は殆ど通じないのですが、楽しい一時を過ごさせて頂きました。

食事会場は私の演奏の場もたくさんある京都の繁華街。いつもは混み合う人混みの中を職場目掛けて一心不乱に突き進む場所ですが、ウクライナ人の方が繁華街の中にある神社や鳥居や、はたまた道端のガシャポン、何より「凄すぎて気が狂いそう!」とまで驚嘆されていた食品ディスプレイにまで熱心にカメラを向けられているのを見て、ああ、こういうものはウクライナにはなかったな。と思うことで私もまたウクライナを懐かしんだのでした。




タイトルの「Слава Україні」(スペルあってる?)は「スラーヴァ・ウクライーニ」と発音し、ウクライナに栄光あれ、という意味。

ウクライナでのコンサートでは、最後にカーテンコールでこの言葉を客席に贈りました。

この言葉は昨今の不安定なウクライナ情勢の中で合言葉になっているとのことで、この言葉を受けると今度は「亡くなった人たちのために」と返すのだそう。コンサートのカーテンコールでも、会場いっぱいのお客さんみんなから返ってきました。

その言葉を贈ろうというアイデアウクライナで学び育った日本人指揮者の方の提案で、

「日本が東日本大震災の時には、ここの人たちはとても日本のことを思い行動もしてくれた。今度は僕達からも気持ちを返したい」との思いからでした。


現地では一人でドイツやどこぞをフラフラしている時と違い、そのお世話になっている方の助けがあるからとはいえ、ウクライナでは人との関わりでも音楽でも、いい思い出しかありません。

言葉も分からず訳が分からず??? なんてことはありましたが、皆暖かく迎えてくれていました。

大好きなウクライナのためにできることは思うことと、ウクライナの良さを伝えることくらいですが、熱く暖かいこの国の人達が一日も早く皆安心して眠れますように。


YukiTAKUBO; Violine