ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に活動中のヴァイオリニスト。「バッハからジャズまで」をテーマとした幅広いレパートリーを活かし、「ヴァイオリン独演会」シリーズを全国各地で展開中。2020年3月セカンドアルバム『MONA LISA』リリース。http://yukitakubo.com/

練習方法③ ~5分×2でダメなら~

※2015年6月7日アメブロの記事※

 

引き続き練習方法リポートをお送りします。

前回は、全体を効果的にさらう、ウィークポイントを可視化することで効率的にさらう方法をまとめました。

今、実際に使用した楽曲・楽譜で着々と付箋を剥がしにかかっています。

ところが、中には5分、それでもダメなのでさらにもう5分繰り返しても覚えられない箇所も出てきます。

手に余る技術が必要か、それか単純に覚えにくい箇所です。




10分でダメなら量で勝負


今回の実験で引っかかったのは、2楽章の中間部。





同じような音型が微妙に変化していくので、指と頭両方に覚え込ませますが、あまり細かく分けるとまたその配置が分からなくなりそうなので間奏から次の間奏まで一気につなげてさらいます。

(上の写真ではピンクの付箋から紫の付箋まで)

そうすると、1分くらい掛かります。

5分1セットのタイマー練習では、たった5回しか弾けません。それでは身につかない。そこでもう1セット5分繰り返しましたが、なかなか楽譜から離れられません。

こうなると、新たなアイテムを引っ張り出すしかありません。




新兵器




ひゃっきんのカウンター
(ジャジャーン)

付箋といい、このカウンターといい、「あったらいいな」が揃ってる、百均て凄いですね。

このカウンターはかれこれ5年くらい使っています。

ひたすら数をこなす時に愛用しています。

でも空でやると、10回やってもう何十回も弾いたような錯覚に陥ってやっぱり弾き込みが足りないということになるので、きっちりカウントします。

元々はメモに正の字で数えていましたが、いちいち楽器片手に鉛筆を持つのも手間だし、疲れてくると弓を落としそうになったのでカウンターを買いました。




では何回こなせば良いのか?


これまでの経験上、ゼロの状態から

・技術的に難しくない=100回
・技術的にも難しい=200回

で大体クリアできました。

だったら単純に100回単位でこなせば良いのですが、目標設定は現実的にしないと挫折します。

つまり、所用時間と持てる時間の関係です。

私はパガニーニのカプリス24番を初めて人前で弾いた時は各変奏を200回ずつ弾き込みましたが、これはものの数分の曲だから取れる回数です。

とりあえず2楽章のこのパートは、この曲の最大の見せ場という訳でもないので総じて100回くらいで覚えるには充分だと思いました。

これまでに50回くらいは弾いてきたと思うので、さっきの10分で弾いた10回を引いて40回。

練習場所の都合でこの日は30回で打ち切らざるを得なくなりましたが、最後に通してみたらほぼ暗譜できていました。


カデンツァの難所や未だに指が覚えてない箇所など、いわゆる危険度MAXの付箋は最初から回数設定で取り組んでも良いかもしれません。



YukiTAKUBO; Violine