ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に活動中のヴァイオリニスト。「バッハからジャズまで」をテーマとした幅広いレパートリーを活かし、「ヴァイオリン独演会」シリーズを全国各地で展開中。2020年3月セカンドアルバム『MONA LISA』リリース。http://yukitakubo.com/

2016.12.28. 全日本芸術コンクール第三回全国大会【府中の森ウィーンホール】

8月の関西本選で2位を頂き、進出が決まった全日本芸術コンクールの全国大会「芸術フェスティバル」。

 

yuki-violine.hateblo.jp

 

行ってきました!

久々の東京でソロの演奏です。

 

会場は初めての府中の森・ウィーンホール。

演奏前に先に客席から鑑賞し、パイプオルガンの美しい音響の良いホールだと嬉しくなりました。

 

また、今回は「思うように弾く」と決めていました。

今年弾き倒したハチャトゥリアンの協奏曲、一旦弾きおさめの最後の最後。

8月の関西本選や10月の大阪国際本選では、やっぱりどこか丁重に、難のないように。

そんな意識がありましたが、今回は他の参加者も東京勢で凄いし、また格安新幹線で日帰りするので結果も待たず帰るから入賞は気にせず好きに弾こうと。

 

かなり思い切れたと思います。

コンクールでは珍しく、本番中とっても楽しかったですね。

 

講評では「音楽性がある」と書いて貰えたと同時に「グリッサンドをもう少しコントロールした方が効果的です」ともありました…(そんなにグリッサンドを入れていたとは、よっぽど好き勝手やったんだなあ…と自分でびっくり)

 

ともあれ。

すっきりとして京都へ帰りましたが、後日結果が郵送されてきて。


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部門11人中の5位(1位なし) でした♪

結果は気にしないといっても、やはりまずまずの結果は嬉しいです。

 

隣のリボンの箱は、


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可愛い~ チョコレート。

 

実は、いつも本ブログにもコメントを下さっているjapan-tama様からの差し入れ。

こんな温かい感想までいただきました。

japan-tama.hatenablog.com

 

なんといっても、アウェイの土地の初めてのホールというのは心細いものです。

「聴きにいきますね」と事前にコメント頂き、一人でも自分の演奏を聴きに来てくれた人が客席にいる、というのは大変な励みになりました。

tama様、本当にありがとうございました!

 

 

これを以て本年の目標「コンクールイヤー」は終演。

6つのコンクールにエントリーし、全ての本選に出場、うち3つで入賞(2つは最高位♪)できました。

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これまで大変な芸大コンプレックス・コンクールコンプレックスがあった私ですが、この二つは克服できたと思います。ようやく、「出身校・賞歴に関わらず常に鍛錬して伝えたい音楽をするのが一番大事なんだ」と心から思えるようになりました。

 

ですので、ひとまず入賞を目指すチャレンジは一区切り。

来年もいくつかエントリーしますが、新たなレパートリーやジャンル開拓を第一目標とするつもりです。

 

今年一年、暖かく見守って頂きました方々にお礼申し上げます。

ありがとうございました!

 

 

 

最後に告知♪

 

2017年のクローズドを除くコンサート第一弾は

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テオフィールの守口move21初登場です(^^)/

12月オーケストラの本番や音楽祭が殆どで中々ライブやコンサートでの告知ができなかったのでギリギリのご案内になってしまいました;

ご来場頂けます方はご一報くださいませ。チケット取り置きさせて頂きます。

 

それでは、皆様よいお年を♪

 

 

YukiTAKUBO; Violine

2016.12.24-25. 威風堂々クラシックin広島

何ヶ月も前から楽しみに楽しみにしていた威風堂々クラシックin広島!

大盛況のうちに終演しました!

12dodo.com

 

広島が産んだ世界的指揮者の大植英次さんが贈る、二日間広島の街をコンサートホールといわず街角といわず、楽しいクラシック音楽で埋め尽くすこのイベント。

 

元々クラシック音楽の音楽祭に憧れがあり、今年縁あってオーケストラやアンサンブルに参加できることになりました。

 

主体となるのは広島市民の若い音楽家の卵です。

私達はボランティアのプロ奏者として。

一般募集の条件がかすりもしなかった(広島出身か在住・25歳以下)ので残念だったのですが、そのような形でお手伝い頂けますか? と言って頂き二つ返事で!

 

2日間でメインのオーケストラ公演(オープニングとフィナーレの二公演)、ひろしま美術館でのソリストに広島交響楽団コンサートマスター・佐久間聡一さんを据えてのヴィヴァルディの四季、地下街シャレオでの広島交響楽団メンバーとのアイネ・クライネ・ナハトムジーク演奏など4か所に出演しました。

 

23日に広島入りし、すぐに各練習・リハーサル・本番を繰り返す怒涛の3日間で写真を撮る暇がほとんどなかったのですが、

 

。。。とりあえず。。。

 

全ての公演。特に、25日HGBホールでのフィナーレのオーケストラ公演。

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これを経験する前と後では私の人生変わった! と思うくらいの感動と鳥肌でした。

 

音楽にこんな力があるんだ

本当に、最後は訴えることなんだ

ここまで人の心を動かすことができるんだ

 

音大で初めてオーケストラを経験してから12年。

色々なドラマもありましたし、素晴らしい方々との共演や感動的な本番もありました。

でも、こんな衝撃を受けたのは初めてでした。

 

ひとえに大植先生の天性の才能と、経験と、心の温度と…それと、それを支えついてきた方々の力だと思いました。

もちろん、オーディションなしで採用されたという中高生を中心とした若いオーケストラメンバーの必死の努力も凄かったと思います。

 

正直に言うと、練習やリハーサルの時点では本番がこんな凄いものになるとは思っていませんでした。

それが、大曲も盛りだくさんのプログラムの構成、一曲一曲の意味、大植先生の引き出した音、そして会場の満員のお客様・広島市民の皆様の見守る空気…そうしたものが本当に一つになって、大きな大きな一つの祈りのようになって。

 

本当に、うまく言い表せないです。

 

どうか一度威風堂々クラシックin広島、あるいは大植英次指揮の舞台に足を運んで生で体験してみて欲しいです。

音楽の予備知識(あったら楽しい所はありますけど)も要らないし、かしこまっておめかしして座席に座る必要もありません。逆に、「これが大植英次か~、世界的に活躍しているというけどどんなものだろう」という目で見始めても、心に響いたら最後にはそういうものが全部消えていると思います。

 

本当に、経験できて良かった。

幸せでした。

今まで音楽を続けてきたご褒美だとさえ思いました。

 

はー。

 

 

 

さて。

 

怒涛ではありましたが、久々の広島でどうしても行きたい場所がありました。

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原爆ドームと資料館、平和公園

24日の昼間、2時間ほどの空きがあったのでもう一人のオーケストラメンバーと訪れました。

 

平和公園の各地で手を合わせながら原爆ドームを目指す内に2人とも言葉が少なくなり…。

資料館の最初の壁にある一言。

「水をください」

その言葉に始まり、熱線の被害・火事の被害・放射能の被害・黒い雨の被害…と「まだ続くの!?」「もうちょっと勘弁して…」とどんどん心の重くなる順路を進むと同時に

 

(資料館を見学するだけでこれだけ絶望しそうなのに、実際に体験したらどんなものだろう…)

 

と。

 

資料館を出て、しばらく休憩しましたが、どちらからともなく「今ヴァイオリン弾けてるって本当に幸せだね」と。

 

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これは原爆ドームの下に咲いていて一輪の花。

 

広島の地は「75年は草木も生えない」と言われていたそうです。

 

何とも美しくて、希望を感じさせてくれました。

 

 

 

フィナーレにゲストとして舞台に上がられた広島市長もおっしゃってましたが、広島市民だからこそ、圧力で「核兵器反対」と訴えるのではなく、音楽の力に代表されるようなエネルギーで。

広島から、もちろん、長崎から、日本から。

 

美しい世界にできますように。

そのための一角、音楽の力のさらに一角を担えたら私も幸せです。

 

 

YukiTAKUBO; Violine