何ヶ月も前から楽しみに楽しみにしていた威風堂々クラシックin広島!
大盛況のうちに終演しました!
広島が産んだ世界的指揮者の大植英次さんが贈る、二日間広島の街をコンサートホールといわず街角といわず、楽しいクラシック音楽で埋め尽くすこのイベント。
元々クラシック音楽の音楽祭に憧れがあり、今年縁あってオーケストラやアンサンブルに参加できることになりました。
主体となるのは広島市民の若い音楽家の卵です。
私達はボランティアのプロ奏者として。
一般募集の条件がかすりもしなかった(広島出身か在住・25歳以下)ので残念だったのですが、そのような形でお手伝い頂けますか? と言って頂き二つ返事で!
2日間でメインのオーケストラ公演(オープニングとフィナーレの二公演)、ひろしま美術館でのソリストに広島交響楽団のコンサートマスター・佐久間聡一さんを据えてのヴィヴァルディの四季、地下街シャレオでの広島交響楽団メンバーとのアイネ・クライネ・ナハトムジーク演奏など4か所に出演しました。
23日に広島入りし、すぐに各練習・リハーサル・本番を繰り返す怒涛の3日間で写真を撮る暇がほとんどなかったのですが、
。。。とりあえず。。。
全ての公演。特に、25日HGBホールでのフィナーレのオーケストラ公演。
これを経験する前と後では私の人生変わった! と思うくらいの感動と鳥肌でした。
音楽にこんな力があるんだ
本当に、最後は訴えることなんだ
ここまで人の心を動かすことができるんだ
音大で初めてオーケストラを経験してから12年。
色々なドラマもありましたし、素晴らしい方々との共演や感動的な本番もありました。
でも、こんな衝撃を受けたのは初めてでした。
ひとえに大植先生の天性の才能と、経験と、心の温度と…それと、それを支えついてきた方々の力だと思いました。
もちろん、オーディションなしで採用されたという中高生を中心とした若いオーケストラメンバーの必死の努力も凄かったと思います。
正直に言うと、練習やリハーサルの時点では本番がこんな凄いものになるとは思っていませんでした。
それが、大曲も盛りだくさんのプログラムの構成、一曲一曲の意味、大植先生の引き出した音、そして会場の満員のお客様・広島市民の皆様の見守る空気…そうしたものが本当に一つになって、大きな大きな一つの祈りのようになって。
本当に、うまく言い表せないです。
どうか一度威風堂々クラシックin広島、あるいは大植英次指揮の舞台に足を運んで生で体験してみて欲しいです。
音楽の予備知識(あったら楽しい所はありますけど)も要らないし、かしこまっておめかしして座席に座る必要もありません。逆に、「これが大植英次か~、世界的に活躍しているというけどどんなものだろう」という目で見始めても、心に響いたら最後にはそういうものが全部消えていると思います。
本当に、経験できて良かった。
幸せでした。
今まで音楽を続けてきたご褒美だとさえ思いました。
はー。
さて。
怒涛ではありましたが、久々の広島でどうしても行きたい場所がありました。
24日の昼間、2時間ほどの空きがあったのでもう一人のオーケストラメンバーと訪れました。
平和公園の各地で手を合わせながら原爆ドームを目指す内に2人とも言葉が少なくなり…。
資料館の最初の壁にある一言。
「水をください」
その言葉に始まり、熱線の被害・火事の被害・放射能の被害・黒い雨の被害…と「まだ続くの!?」「もうちょっと勘弁して…」とどんどん心の重くなる順路を進むと同時に
(資料館を見学するだけでこれだけ絶望しそうなのに、実際に体験したらどんなものだろう…)
と。
資料館を出て、しばらく休憩しましたが、どちらからともなく「今ヴァイオリン弾けてるって本当に幸せだね」と。
これは原爆ドームの下に咲いていて一輪の花。
広島の地は「75年は草木も生えない」と言われていたそうです。
何とも美しくて、希望を感じさせてくれました。
フィナーレにゲストとして舞台に上がられた広島市長もおっしゃってましたが、広島市民だからこそ、圧力で「核兵器反対」と訴えるのではなく、音楽の力に代表されるようなエネルギーで。
広島から、もちろん、長崎から、日本から。
美しい世界にできますように。
そのための一角、音楽の力のさらに一角を担えたら私も幸せです。
YukiTAKUBO; Violine