フラメンコダンスと、カント、ヴァイオリン、コントラバスという編成で、フラメンコのショーだと思い込んでいたのですが、何と表現したら良いのか、一時間の異空間体験でした。
会場。
なんだか普通ではない空気が漂っています。
そして、入り口が開き、ヴァイオリンとコントラバスのみの演奏が始まると一気に意識がここではないどこかへ引き込まれたのです。
スペインやフラメンコの音楽に詳しくない私が分かったのは「ラ・フォリア」だけでしたが、それも時々分断され、ダンサーによって影響され、時に美しく時に鳥肌の立つような、地の底から歪められて聴こえてくるようになったり…
意識がぼうっとして、頭からは今練習している曲のことや阪神戦の行方も消えてしまい、同じ頃に虎軍が1イニング7得点を上げていたことなど知る由もなかったのでした。
幻想的というとちょっと軽くなってしまう気がします。
目の前でダンサーの息遣いまでが感じられるほどの濃密な空間で、最近、「アルケミスト」という本を読み、最近は久しくなかった…10代のころは本の世界に浸り切るのが大好きだったのですが、それと同じように今ここにいない自分を発見したのでした。
開演前、「こちらお持ちください」とアンケートと共に茶封筒を手渡されました。
もこもこしていましたので、何だろう?と開いてみると、青いビー玉が一つ。
「これ、どうするんだろうね? どこかでお客さんが一斉に転がすのかな?」
とお友達とも???。
投げたら割れてしまいそうだし、一つでは鳴らすこともできないし、何だろう…
と、想像力を広げるのが楽しくもありました。
結局、この青いビー玉はクライマックスの演出の一欠片のお土産だったのですが。
しばらく封筒ごととっておき、時々この一時間を思い出す縁にしようと思います。
全然内容の分からないレポートだったと思います。
でも、興味を持たれたらぜひ調べて、次回があれば会場に身を置いてみてください。
帰り道、何だかこのまままっすぐ家=現実に帰るのがもったいない気がして、普段あまりゆっくり歩くことのない時間ですし、少し散歩して帰りました。
せっかくだからと幼少の頃から縁深いお寺にも立ち寄りました。
幻想世界の続きがここにも。
良い夜でした。
YukiTAKUBO; Violine