第53回なにわ藝術祭新進音楽家競演会、無事終了しました!
競演結果
どんな講評が貰えるのか
「ピアノ共々求心力の強い演奏でとても良かったと思うが、ともすればその求心性が自己への埋没につながりかねない。冷静な客観性を更に望む」
「テクニックと曲想は大したもの。難しいことだが最後の音程を更に詰めて」
「音・楽器はバツグン。リズムとアーティキュレーション、伸ばすべき音を十分に」
「ハチャトゥリアンの音、土着の匂い立つような響き、リズムなど音楽の作りは好き。ヴァイオリンが伴奏に回る時の処理がもっと丁寧にできると良い。また聴きたいと思わせる演奏でした。ありがとうございました」
音や作りこみをお褒め頂いたり、とっても嬉しく読ませて頂きました。また逆にご指摘頂いた所は「そういう点ももっと改善できるのか」と新たに気付かされることばかりで、大いに参考になります。エキサイトしすぎる時があるのは私の悪い所でもあり、持ち味でもあるので、うまくそれを自分で完結せずお客様に伝えられるような表現に変えていけたら…と思います。
一般的な「フェアにフェアに」採点するコンクールの講評にはない「好き」「ありがとうございました」といった言葉が見られたのが、本藝術祭の特徴が本当に良く表れているなあと思いました。
審査委員長の日下部先生は「お客さんも、良かったらもっとブラボーと言えばいいし、ダメだと思ったらもっとブーイングすりゃいい。海外のコンクール行ったらみんなブラボーといったりブーブー言ったりしてますよ」と^^
そんなコンクールになったら楽しいですよね。
自分のまとめ
ハチャトリアンの協奏曲は今の所まだまだ未熟ながら私の伝家の宝刀で、「もしもこれで『合ってない』『何を表現したくてこの選曲に?』と書かれてたらどうしよう…」と不安でしたが、その点は伝わったかなと思います。
数年前までは「私に弾けるかな…」とためらっていた一曲。ウクライナでのオーケストラとの共演や、数度に渡るコンクールでの選曲、リサイタルでの演奏を経て、ようやく「私の一曲」と言えるようになったかな? と思います。
レパートリーとして大事にしつつ、また講評を参考に一層の研鑽に励みつつ、今後、これ以上に自信を持って弾けるレパートリーに巡り合ったらまた再挑戦したいと思っているなにわ藝術祭でした。
産経新聞の皆様、審査員の先生方、聴きに来てくださった方、伴奏の牲川さん、応援してくれた家族の皆、ありがとうございました(*^_^*)
おまけ
今回、コンクール講評で初めて「楽器はバツグン」と楽器を褒めて頂きました(^○^)
実は今年5月末で、今の楽器との付き合いが10周年になります。
2003年イタリア生まれのこの楽器は最初の印象がとても良く、音色は若いし楽器としてはこれからなのかなあ…と思いつつ、「若いうちは健康の楽器が一番」という宗倫匡先生の言葉にも後押しされてそれまで使っていたフランスのモダン楽器から替えました。
13歳になる今年になって、「ずいぶん音色が良くなってきた」と褒めて頂くことも多くなり、まさかのコンクールでまで。
「音色にはやっぱりオールドかなあ」と(予算もないけど;)隣の芝生を羨んだりした時期もあったのですが、きっとまだまだ良い音を引き出してあげられるはず。
一日の終わりには楽器に対しても「ありがとう、これからもよろしく」とつぶやいたのでした^^
YukiTAKUBO; Violine