ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に活動中のヴァイオリニスト。「バッハからジャズまで」をテーマとした幅広いレパートリーを活かし、「ヴァイオリン独演会」シリーズを全国各地で展開中。2020年3月セカンドアルバム『MONA LISA』リリース。http://yukitakubo.com/

コンクール審査員を務めました

今年から、とあるコンクールの審査員をお受けすることになりました。

 


ここ数年自分がコンテスタントとしてコンクールを経験してきて、それは「ジャズなどの音楽をやることでクラシックのテクニックの自己水準が甘くなっていないか」をチェックするのが主な目的でした。

だから、私のコンクールチャレンジは「クラシック以外をやるために、クラシックでコンテスタントを経験する」ものなのですが…

 


初めて審査員席に座って、改めて、私はクラシックのみでコンクールに挑むという行為に感動したのでした。

 

 

 

以前、樫本大進さんがインタビューに答えていたことで印象的な言葉があります。

 


「聴衆の反応によって演奏を変えないようにしている」

 


これはクラシック演奏のある意味では極意だと思います。

 


ただし、私の演奏はクラシックでもジャズでもお客様の反応を含めた色んなものに物凄く影響を受けていて、良く言えばその日その場を共有した人にしか聴けない演奏で、悪く言えば環境に左右される演奏だと自負しています。

 


そんな私ですが、クラシックコンクールという、主として音楽を楽しみにしているお客さんではなく、審査員が講評を書きつつじっと審査しているという状況の中、自分の積み上げてきたもののみで勝負する場の演奏に、改めて感銘を受けました。

 


審査員は大体曲を知っていますし、自分でも弾いたことある曲が殆ど。

どこが難しいかも分かるし、「それっぽく見せる」行為は思った以上にバレてしまいます。

 


だけど、本当に多くのコンテスタントが素晴らしい演奏と、ここに至るまでの日々の積み重ねを見せてくれました。

 


発表会がわりの記念受験、そんな演奏はなかったですね…

 


私はそこにも感動したのです。

 


やっぱり、コンクールって良いものだ

 


そう感じました。

 


朝から晩までずっと審査していましたが、一瞬に感じるくらい私も集中して聴きました。

 


そして、欠点を探すよりも、「もっともっと良い点を伸ばして欲しい」という思いを込めて講評を書きました。

 


どうか全てのコンテスタントに届きますように。

 


そして、本コンクールがただのステップや挫折を味わう場ではなく、より自分の音楽を研磨する場となりますように。

 

 

 

また、万全の感染対策を敷いてコンクールを運営して頂きましたスタッフの皆様もお疲れ様でした。

 

田久保友妃

 

お盆は大阪ハイアットリージェンシーでジャズ演奏しています。

こちらも感染対策万全!

お客様がお食事中のため、マスク着用で演奏しています。

 

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