ヴァイオリニスト田久保友妃のブログ「四絃弾き。」

関西を中心に活動中のヴァイオリニスト。「バッハからジャズまで」をテーマとした幅広いレパートリーを活かし、「ヴァイオリン独演会」シリーズを全国各地で展開中。2020年3月セカンドアルバム『MONA LISA』リリース。http://yukitakubo.com/

2018.10.03.【第19回大阪国際音楽コンクール・コンチェルトオーディション部門】ムラマツリサイタルホール

大阪国際音楽コンクール、4年目のチャレンジにして初!


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コンチェルトオーディション部門でエスポアール賞を頂きました!

2015年の第16回から何かしらの部門にエントリーしていて、ファイナルの入選までは行けてたのですがなかなか賞が獲れなくて今年はひっそり受けてましたが、応援してくださった方、ご指導や伴奏で支えてくださった方に感謝しています♪

 

 

 

コンクールには問題点も確かにあります。チャレンジを続けていると確かに陥りそうになる落とし穴があって、そこに嵌まりそうなら関わらずに伸び伸びと個性を発揮する方が良いと思っています。

にも関わらず、私がコンクールチャレンジを続けるのは自分との戦いのため、という自戒を込めた振り返り。

 

私のコンクールチャレンジは、4年前の大阪国際ファイナルに残れた所から始まりました。

 

私はもともとコンクール向きでは全然なくて、子供の頃から音大に行くまでも発表会のノリで一回くらい受けたことがある程度でした。親もコンクールとかには興味がなく、その代わり子供の頃から父のジャズバンドの仕事に引っ張って貰っていたのでそちらには親しんでいて。

反面、ホールでの演奏や、審査や評価があるとなると緊張で何弾いたかわからなくなるし、講評を見れば「音程」「音程」「音程」と音程の不安定さにダメ出しを食らうし…

 

あくまで自分の課題の話ですが、

 

「コンクールを避ける」というのは、私にとっては自分の音程や基礎技術に目を瞑ることとイコールだったんです。元々自分に甘いから、そんな場がないと楽しい部分にだけ目が向いてしまう。

結局、このモヤモヤは「コンクール的な場でネックになる欠点」を克服するしかないんだと思いました。

 

で、4年前の大阪国際のファイナルで目のあたりにした他のコンテスタントの素晴らしい演奏…

 

私もあんな風に弾きたい

 

じゃあ同じ土壌で弾き続けてみよう(チャレンジを続けてみよう)

 

という。

 

自分よりもひと世代若い層がほとんど。

年齢的に伸びしろは全然違う。

けど、やるなら今が残りの人生で1番若いんだよなぁ、と(これは母が良く言う台詞)。

 

それからは音階練習も一新しましたし、一日でも音階をやらなかったら自分で許さないようになりました。

 

今年初めてソロリサイタル、「ライブ」ではなく「リサイタル」に踏み切れたのも、前は「私の演奏はホールリサイタルには耐えない」という思い込みがあったのを、「コンクールという最怖の環境でこれだけ弾いたんだからそろそろ耐えられるかも?」→「やろう!」という一歩に繋がったからで。

今年は予選でバッハのシャコンヌを弾くというのが自分の中で最大のチャレンジだったのですが、講評で「安定した演奏でした」と書いて貰ったのは何より嬉しかったですし、私が人前でバッハ弾いても良いのかもしれない…、と思えたのは人生の中でも大きなプレゼントでした。

 

今の自分ではそれを獲れない改善点があるという認識から初めて、時間をかけて少しずつでも理想の音に近付こうと頑張ってみた結果に賞という形がオマケに付いてきたのは凄く嬉しい、という話でした。

 

コンクール受賞経歴がなくてももっともっと素晴らしい演奏家はたくさんいますので、演奏を聴いて「良いな」と感じたらプロフィールに影響されずに花丸チェックを入れて欲しいと思います。

 

 

長らく演奏聴いて下さってる方は私が大阪国際受け続けてきたのをご存じの方もいらっしゃるので、励まして頂いたことにも感謝しています。

 

ありがとうございました!

 

 

YukiTAKUBO; Violine

 

予行演習の企みが、延期により報告演奏になりました。

ピアノも同じ加藤雅子さんです。来てね~

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