今月、母方の祖父母に会いに高知に行ってきました。
子供の頃の夏休みは半分くらい? をこの祖父母宅で過ごし、都会育ちの子供だから虫や外にあるトイレに夜行くのが怖くて…という記憶はありますが、今思えば緑の中の良い環境で夏を過ごしていたんだなと思います。
その祖父、じっちゃんは、最近でも母がアルバ厶整理の折に若い時の写真を見つけてはわざわざメッセージで送りつけてくるほど、青年時代は男前でした。
母の結婚式の写真など見てもなかなかダンディなのですが、青年時代は本当に男前だと孫ながらに思います。
男前で、知的で、文化人で、巨人…野球ファンで、母の自慢の祖父なのですが、ライフワークにしていることがあります。
それは自らの戦争体験を語り継ぐこと。
祖父は衛生兵としてフィリピンに配置され、銃弾の雨と「自活」という名の食糧難を潜り抜けて生還しました。
食料が全くない時は、一匹の蛙を仲間を分け合ったのが一週間で一度きりの食事だった。
戦友の誰それが、猿を見つけて撃ち落として食べたという話を聞き、飢えのあまりそれが羨ましくてたまらず、「今でも羨ましいと思う時がある」とも言います。
食糧難と簡単に言えば理解はできますが、具体的な内容には気が遠くなりそうです。
きっと、満足な飲み水もなかったのではないでしょうか。
祖父はあまり言葉で語らない代わりに、自筆の本を出版するなど文章で多くを書き残しています。
気軽に借りられるものではないかもしれないのですが、もしも目にする機会があり、興味があったら手に取って下さい。
内容を全て伝えるということは私にはできないけれど、祖父のこの記憶に何か、祖父にはできない形を与えてみたい。
そう思っていて、できたのがこちらの動画です。
西国巡礼 ~ヴァイオリンとピアノのための~(2015) - YouTube
とても手前味噌というか、身内のことなのですが…
興味がある方が、興味を持ったタイミングで良いので、一人にでも何かが届いたら良いなと思います。
また、「もうこの曲をこのために演奏する必要はないな」と思え、表現の変わる時が来たら良いなとも思います。
ちなみに、しっとり書きましたがじっちゃんはとても元気です。
野球と相撲のテレビ観戦に明け暮れているようです^^
野球好き相撲好きの遺伝子だけは受け継がれましたが、私が好きなのはキイロイ球団と照ノ富士関なので、応援する対象だけはどうもずれるようです。
タテジマに目覚めてから、祖父にだけはそれを隠していたのにいつの間にかバレていて、「巨人負けて残念だったね~」としれっと言ったら「けんど友妃は阪神が勝って喜んじゅうろう」と言われたのが、昨年の夏もっとも背筋の冷えた怖~い話でした。
YukiTAKUBO; Violine